集団的自衛権を限定容認したとされる閣議決定について結いの党の見解

2014年07月09日

集団的自衛権閣議決定に対する「結いの党」見解が示されましたので掲載いたします。

集団的自衛権を限定容認したとされる閣議決定について(平成26 年7 月8 日;結いの党)

1.この閣議決定がどうして「集団的自衛権の限定容認」になるのか。わが党が出した見解=「個別的自衛権の解釈の適正化」ではないか。閣議決定文にも安倍首相会見にも「集団的自衛権の限定容認」という言葉はない。

2.国際司法裁判所(ICJ)のニカラグア事件判決でも「集団的自衛権」とは「他国を守る権利」。「死活的利益防衛説」(少数説)は、日本政府がとる見解とされるが、国際的理解とは異なる。

3.一方「個別的自衛権」は、「武力攻撃」に対し「自国を守る権利」。ただし、「武力攻撃の発生」(国連憲章第51 条)とは、現に攻撃や被害が発生している場合にとどまらず、その危険が切迫、急迫している場合も含むというのが国際社会の共通理解。

4.その意味で、他国への武力攻撃が「端緒」であったとしても、閣議決定の国民の生命や権利を根底から覆す「明白な危険」に対処するための武力行使は、「自国を守る権利」=個別的自衛権。わざわざ「集団的自衛権」の限定容認という概念を持ち出すまでもない。

-参考-

(「集団的自衛権」とは?/「国際法」東信堂より)
第一説 個別的自衛権共同行使説両国がそれぞれの個別的自衛権を共同して行使
第二説 他国防衛説(ICJ採用)他国を防衛する権利(国内法上の正当防衛概念のうち「他人の権利の防衛」に対応)
第三説 死活的利益防衛説(日本政府見解)他国への武力攻撃で自国の死活的な利益が害された場合に行使

(「防衛出動要件」との対比)
「国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険」
≒「武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態」
(自衛隊法76 条「防衛出動の要件」)

(「明白な危険」の定義=政府検討中)
・放置すれば戦禍が日本に及ぶ蓋然性が高い場合
・ 日本国民に深刻で重大な犠牲を及ぼす場合

(米国「新安全保障戦略」2002年9月)
・先制的自衛を合法化。「確実で差し迫った脅威」に対処=「個別的自衛権」
・ 西独ベルリンのディスコ爆破→リビア攻撃(1986 年)が契機

(在外自国民保護/「講義国際法」有斐閣等より)
学説上も国際社会の理解も分かれる。エンテベ空港事件(1976 年)で米国、イスラエル等が自衛権主張。イラン人質救出作戦(1980 年)やグレナダ事件(1983 年)等の例。①自国民への急迫かつ重大な危害のおそれ②領域国の保護の意思あるいは能力の欠如③自国民保護目的に限定が要件(「領域侵害正当化型自衛権」)

(国連憲章第51条)
この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持又は回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。

 

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