9月定例会 一般質問

2012年09月06日

平成24年9月3日(月)9時30分~9月定例議会が開催されました。

私の一般質問は午後2時15分~約1時間 通告書~質問の全文~回答を紹介いたします。

一般質問通告書の件名 (1)公共施設の防災機能の向上及び危機管理について

通告内容

本年、平成24年は、昭和57年の大水害より30年目を迎える節目の年でもあります。また、南海・東南海地震の発生確率が50~60%と高い確率であり、いつ発生しても不思議ではないとの見解もあります。

以前より、私を含む多くの同僚議員からも防災関係については多くの質問が出されており、大規模地震対策に対する不安解消、大水害対策の更なる充実、土砂災害に対する備え、これらの複合災害が発生した時のリスク検討、防災訓練の必要性などの質問があり、行政として積極的に耐震対策と減災対策を進められていることと思います。改めて、平成23年6月定例会の私の一般質問「耐震対策事業について」、平成23年9月定例会での「学校施設の非構造部材の耐震化推進について」及び平成24年3月定例会の「防災機能向上の施策について」の各項目について、限られた予算の中で検討を行われ実施された項目や一般質問に対する資料の確認後に計画されていることがあれば、各部署別に進捗状況と調査資料の報告を頂きたい。

また、耐震対策関連事業で、今後必要とされる各公共施設の防災機能向上施設整備の計画内容と各部署で作成されていると思う「緊急時危機管理対策マニュアル」の概要についてそれぞれの担当部より回答をいただきたい。

一般質問

質問に入ります前に、昨年9月3日台風12号による紀伊半島南部の集中豪雨で発生いたしました、大規模な土砂災害により亡くなられた多くの方々、未だ行方不明の方々に対し「心より哀悼の意を表します。」また、避難生活を強いられ仮設住宅に住まわれている方々も多く、今朝の奈良新聞によりますと、170世帯346人の方々が避難生活をされておられます。「避難されている方々に対し、心よりお見舞いを申し上げます。」特に十津川村は、王寺町ゆかりの片岡八郎公を通して、特に親交が厚い村でもあります。そして、本日定例会の開催日9月3日は、奇しくも(くしくも)、昨年の紀伊半島大規模土砂災害から丁度1年目であり、この災害では、奈良県で死者14名、行方不明者10人、合わせて24人という人的被害がありましたことは、皆様ご承知のとおりです。

また、今年は昭和57年8月に発生しました大水害から30年の節目の年でもあり、防災に対して住民意識の高揚を図る必要があると、私は思っております。

では、議長のお許しを得ましたので、1問、質問をさせていただきます。

平成23年6月定例会における私の一般質問で、「耐震対策事業の実施予定がない学校教育施設(王寺南小学校、王寺南中学校)と教育施設以外の施設に対するリスク検討内容」、「既存木造住宅耐震対策支援事業の現状と見通し」、「要介護度4,5の方に対する耐震シェルター助成」、の3点について質問をいたしましたところ、質問順序とは前後しますが、「教育施設以外の施設である役場本庁舎につきましては、昭和46年の建設であるが、今後、有利な財源により耐震診断を行う予定であり、耐震診断を行っていないのでIs値も不明である。」との答弁でありました。Is値とは構造耐震指標のことで、国土交通省の基準では、0・6未満の建物は「震度6強の地震で崩壊、倒壊する危険性がある。」とされ、0・3未満なら「危険性が高い」とされています。また、地震の際、学校は避難場所になることから、文部科学省では学校の建物については、0・7以上のIs値を求めているものです。)そして、「中央公民館については、昭和49年の建設であり耐震については満足していないが、地域交流センターもあり今後の計画で検討する。」との答弁でした。

「既存木造家屋の耐震対策支援事業」にあっては、対象家屋が1200戸を想定しているが、平成18年の事業開始から耐震診断の実績は32件で、同制度による耐震改修済み家屋は3件であり、「今後、新しく検討する耐震対策事業は、国、県等の補助金による有効な特定財源の確保を十分勘案し検討する。」との答弁でした。

次に、「耐震シェルターの補助事業の質問に関連して、寝たきり状態の方々の現状把握についての回答では、当時の数字となるでしょうが、要介護度4の方は89名、要介護度5の方は105名、合計194名で、在宅介護者は118名、施設利用者が76名であるが、昭和56年以前の建物かどうかは把握していない。」との答弁でありました。

以上の中で、再確認をしたいのは・・・

①役場本庁舎は、当然のことながら防災対策本部機能を持つ筈でありますので、役場本庁舎の耐震診断に対しては、補助事業の有無に関わらず「どの程度の震度まで耐えうるのか?」を知るためにも、早期に耐震診断をすべきと考えます。中央公民館よりも建設年度が3年古い昭和46年であり、その予定は何時か? 明確な時期を伺いたい。

また、建て替えが必要なのか?耐震補強工事で可能なのか? これも耐震診断をしなくては判断できない訳ですが、せめて、非構造部材の窓ガラスの飛散防止対策、天井の落下防止対策、ロッカーなどの転倒防止対策に取り組むべきと私は考えますが、如何でしょうか?

②次に、既存木造家屋の耐震対策支援事業において、平成23年度中に増加した内容の報告と、想定対象家屋1200戸に対して、非常に少ない件数しか診断⇒耐震改修をされていない現状から、家屋台帳や登記簿などを基に、昭和56年以前に建築し登記された家屋の特定をされ(固定資産台帳など役場保管書類からの調査が可能だと思いますが)、個別に減災に対する必要性と補助制度の説明を実施されたかどうか? 伺いたい。

③今後新しく耐震対策を行う施設にあっては、有効な特定財源を確保して検討するとの答弁でありました。今年度予定されている、中央公民館の建て替え基本計画の財源は、当初予算書によれば一般財源と記載されています。新しく計画する物件は特定財源を確保して実施するとの回答であったはずであるのに、何故、中央公民館建替え基本計画だけ、一般財源で実施するのか? その理由を伺いたい。

また、その他、計画的に実施予定とされている社会教育施設の耐震対策実施の順位と特定財源は何なのか? 特定財源の確保が出来ない限り調査も行はないのか? 伺いたい!

④耐震シェルター補助事業に関連する回答で、「要介護度4の方が89名、要介護度5の方が105名、合計194名で、在宅介護者は118名だが、昭和56年以前の建物かどうかは把握していない。」との回答でした。

『平成24年3月末で「災害時要援護者台帳」の整備が完了する。』との報告を3月定例議会で受けており、私の質問から1年以上が経過しています。 台帳整備により、在宅での要介護者は特定できている筈ですから、先ほどの「既存木造家屋の耐震対策支援事業」と同様に「家屋台帳」などより昭和56年以前の建物と対象者を特定できていると思いますので、昭和56年以前に建築された建物に、要介護度4,5対象の方が何人住まわれているのか? 回答いただきたい。」

言い換えれば、大規模地震時において、寝たきり状態にあり倒壊する危険のある家屋内で、助けを必要とされている方を特定されたのか? 伺いたい。

次に、平成23年9月定例会での「学校施設の非構造部材の耐震化推進について」質問をいたしましたところ、点検の結果、問題が無いので実施予定はなく、平成21年度の経常収支比率が99%という厳しい数字のため、最優先として耐震補強工事を実施しているとの答弁でありました。

平成22年度決算の経常収支比率は91.5%で、職員皆さんの努力で財政的にも大きく改善していると思いますので、来年度以降に、特定財源のある「学校施設の非構造部材の耐震化推進事業」に取組む計画をされるのか伺いたい。

調査については完了しているとの答弁であり、積算が出来ればいつでも補助申請は可能だと思っております。

次に、平成24年3月定例会での「防災機能向上の施策について」種々質問をいたしました中で、資料の持ち合わせがなかったものについて、未だに回答を得ていませんので、再度、質問をいたします。

「地震時などにおいて大規模な火災の可能性があり重点的に改善すべき密集市街地は、王寺町においては2地区15haであり、その地区における不燃領域率が40%を超えているか?」との質問に対する回答を戴きたい。

ここで、「想定外」という言葉について・・・中央防災会議のメンバーであり、立命館大学教授、歴史都市防災研究センター長 土岐 憲三 先生が「サイエンス・ポータルサイト」に寄稿された論文に「想定値を超えたときの知恵」としての記載がありますので、その一部分を紹介させていただきます。

【今回の大地震や津波被害の報道の中で「想定外」という言葉をよく耳にされたと思います。この「想定外」というのは「想定値を超えた被害や災害、事象が起きた。」ということですが、「想定値」というのは超えることもあるのです。目標を定めなければ何もできないから、とりあえず「想定値」を定めておく。 そして、「想定値」を大きくしておけば安全度は高まるが、そうすると施策や施設に膨大なお金がかかるので、社会的合意が得られません。 「想定値」は、社会的合意が得られるであろうという「目標値」でしかない、つまり「間違いなくそれを超える事象が起こり得る。」ということです。

例えば、国などが想定値を設けるときに「想定値を超えたときはこうしなさい。」とは言わない。

「想定値はここまで」、「これが想定値です」と示すだけです。だからと言って、「そこまでやっておけばいいのだ」と防災や災害の関係者が考えてはいけません。国が想定値を際限なく大きくするわけにいかないから、どこかで止めているのであって、「それを超える可能性があること」を知った上で、実際に「想定値を超える事態が起きたときにどうするか」を、知恵で補っておかなければならないのです。】

と、仰っています。

私は、この知恵の一つが減災対策として何をするか?ということだと思います。

「王寺町防災の日」を設けて、各自主防災会、自治会、諸団体、企業、消防団、消防署、警察署、行政の協力による「総合防災訓練」を行うことによって、住民皆さんに防災面における自助・共助の大切さを認識していただくことも、その知恵の一つだと思います。

同僚議員からも総合防災訓練について提案されています。

私も定期的な取組で防災意識を常に持っていただき、「想定を超える時があるということを知っていただく知恵として」、是非とも多くの住民皆さんが参加する「総合防災訓練」が必要だと思いますので、この取組に対する考えについて再度、伺います。

次に、今後必要となる耐震対策事業において、各施設の現状と検討されている方向性及び「緊急時の危機管理対策マニュアル」の有無と策定の必要性などの考えについて質問をいたします。

大規模地震発生時においては、王寺町だけでなく広範囲で停電となり、多くの機能が停止することは容易に想像がつきます。

避難所となる10か所の学校や社会教育施設に必要な自家用発電機などの非常用電源は設置されているか? 設置されている場所での運転可能時間はどれぐらいか?

設置されていない場所への設置予定はいつか?

緊急用の飲料水確保が出来ているのか? 伺いたい。

同じく、災害対策本部となる役場本庁舎に自家用発電機は設置されているか? 運転可能時間はどれぐらいか?

③防災行政無線は非常用バッテリーを備えていると思うが、バッテリーでの防災無線の使用可能時間はどれぐらいか?

ライフラインである上下水道施設(雨水ポンプ場を除く)に自家用発電機は設置されているか? その運転可能時間は?

⑤複合災害が発生した場合(※大規模地震発生後に大水害が起こり、大規模な浸水被害が起きたと想定)の連絡手段は、衛星携帯電話のみと考えられるが、対象となる避難所に衛星携帯電話及び電源は常備されているか?

また、各部署であらゆる危機を想定して作成されていると思う「緊急時危機管理対策マニュアル」があれば、それぞれの所管委員会に提出いただきたいので、まず、有無についてお答えいただきたい。

多くの質問項目がありましたので、答弁漏れが無いように、各担当部長の補足答弁も戴きますようにお願い致します。
以上で、壇上からの質問を終わります。

町長答弁

清水議員さんのご質問にお答えいたします。

事前にご通告いただけなかった部分もございますので、私ができる部分についてはお答えし、各部門については、後程各部長からお答えいたします。本庁の耐震減災対策につきましては、まず学校教育施設については平成23年度にすべて完了いたしました。また、それ以外の施設につきましては、現在、第2浄水場の耐震劣化補強工事を進めており、また中央公民館は久度地区の防災拠点として有効に活用できるよう改築に向けて財源の研究とともに基礎調査を行っております。橋梁および上下水道施設につきましては、点検業務を経過年数や重要度に応じて実施し、年次的に計画を立てて改修・更新を行いたいと考えております。仰るようなその他の施設につきましても、施設の状況も考慮しながら補助金など有効な特定財源を確保しながら勘案し検討してまいります。 以上です。

中野総務部長)事前の中で、詳細ご質問がございませんでしたので、一部漏れ落ちがあるかもしれませんが、お聞きした範囲の中で順次、ご説明したいと思います。

まず一番最初に、本庁舎の耐震に対する診断の時期についてでございますが、再三答弁申し上げておりますように、今後、いろいろな補助制度につきまして有利な財源を見ながらということで考えております。

ご質問でもありましたが、常収支比率が改善されているというわけではなく、平成23年度決算では94.4%となっており、まだまだ厳しい状況の中で、役場等々いろいろの施設の耐震化を実施していきたいと考えているが、有利な財源の確保が一番と考えていますので、時期について明言はできかねます。

続きまして、木造家屋かかる税情報の利用ですが、これは、税部課にかかるものでそれを耐震化等々の資料に安易に利用できるかというと、例え庁舎内の資料であっても個人情報の制限にかかるものであります。まずは、個人としての取り組みから町としてサポートしていくということが一義的な順序と認識しています。 現段階で個人の税情報を利用することは考えていない。

中央公民館の建て替えに対する財源についてのご質問ですが、県とも有効な方法について協議中であります。 現在のところ、減災対策事業ということで調整をしています。

役場の非常用発電機につきましては、役場自体が古い昭和46年度で、設置されていませんが、町全体の中で備蓄倉庫に非常用自家発電機を保管しているので利用できます。また、各避難所施設の衛星携帯電話の保管のことだと思うが、役場と県とは衛星を利用した防災行政無線が常備されており非常用電源も設置しています。なお、防災行政無線で各施設との通信は確保されています。

浅井住民福祉部長)24年3月末に要援護者台帳が完成しております。65歳以上の方のデータを整備し、基本的には要介護、要支援の方々のデータであり、一人暮らし高齢者のデータも記録されています。主には要介護が主体であり、介護サービスの内容、病状、主治医などを登録して1か月に一度更新を行っており、地図データともリンクしています。

平岡教育次長)学校の非構造部材の耐震化つきましては、目視による調査を担当者で実施しているが、補助内容によりますと年度内に調査を実施して同一年度内で工事も完了しなくてはならず、5つの小中学校があり順位づけも必要だと思っています。現状では、補助体系に合わせて実施するのは困難とおもっています。また、中央公民館以外の耐震化については、有利な財源を求めるのが先であり、今後はリニューアルも含めて検討を進めてまいります。

乾水道部長)下水道マンホールポンプ施設1か所が自家発電機設置可能となっています。上水道施設にはございません。

内山建設部長)建設部担当の防災関連事業は橋梁がありますが、重要橋梁10橋のうち6橋について点検業務を今年度に実施いたします。

議長)防災の日に対する回答が漏れているが?

中野総務部長)町としては県などの訓練に参加しています。 まずは、自主防災が大切と考えています。

質問通告書を読んでいただいた方はお判りいただけるでしょうが、過去の質問と答弁内容の再確認を行っているのであり、質問通告に無い質問は行っていません。

質問通告書を読み上げるだけでは、ただのセレモニー! 今回の質問通告に対して質問内容の確認を行った担当者は誰もいませんでした。

一般質問とは、住民の皆さんに代わって議員が質問し提案を行っていることが執行部は理解できていません。 議会を軽視・・・住民無視につながります。

再質問では、8月30日の新聞で報道されました南海トラフ巨大地震に対する防災意識向上の必要性を紹介し、大規模地震時に子供を怪我から守る、要介護4,5の方々の命を守る施策が是非とも必要であり、単独事業でも早急に実施すべきことを訴えましたが、必要な財源を求めて順番を決めるとの答弁でありました。 私としては、もっと災害時弱者と言われる人たちを救う施策に重点を置き、減災に対する知恵を多くの人たちで出すことだと考えています。

いつも、後ろ向きな答弁、町長は簡単な答弁書を読むだけで回答に「心」がありません。 残念ですね。

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